私が初めて日本を訪れたのは15年前、小津安二郎監督の作品に惚れ込んだからです。彼の作品の豊かで深い表現に感動して以来、この旅は続いています。

日本人はデザインや芸術に対し、とてもユニークで奥深い感覚を持っています。その独特の感性は私を魅了し続け、日本は私の第二の故郷となりました。それ以来、故郷のフィンランドを含め、海外への移住は考えた事がありません。

私は、シニアCGアーティストとして10年余りこの業界で働いてきました。中小企業はもちろん、Adobe、BCN Visuals、Orbital Virtual Studio などの外資系大企業とも仕事をしてきました。

2022年4月は、デジタルトランスフォーメーションのマイルストーンの一つとして記憶されています。Lumen や Nanite といった魅力的な新技術を搭載したUnreal Engine 5 がリリースされたからです。

リアルタイムCGは、特に産業用途において、企業がデジタルトランスフォーメーションを推進するためのユニークな機会を提供すると思います。これほどまでに高速なイテレーションを実現しながら、驚くほどフォトリアリスティックな結果を得ることができるのです。

Substance Designer は、フォトリアリスティックな PBR マテリアルを作成するために私が選んだツールです。Houdini は、複雑な建築物の作成を可能にします。Marvelous DesignerとCLO3Dでは、アパレルやファッション業界でリアルな布のシミュレーションを作成しています。

このような新しい技術をどんどん取り入れ、日本企業には成功して欲しいと考えています。そして、CGデザイナーには、デジタル素材を作るプロセスを楽しんでもらいたいですね。この新しいツールによって、ありふれた制作作業が魅力的なロジックパズルになります。

このようなツールを活用することで生まれるポジティブな雰囲気が、デザイナーをより自由にし、イノベーションを起こすと思います。仕事とは、やはり楽しいものでなければなりません。

ぜひ、新しい技術を取り入れて、一緒にいい作品を作っていきましょう。

ヤーッコ